
飲食店の売上を伸ばすうえで、「値段設定」は重要なポイントです。
しかし、単純に「値上げすればいい、単価を上げればいい」という話ではありません。
たとえば、メガハイボールや大盛メニューは、客単価を上げる施策としてよく使われます。
一見すると売上が伸びそうですが、実はやり方を間違えると逆に利益を下げてしまうこともあります。
この記事では、飲食店の「大盛」に潜む価格設定のポイントについて解説します。
飲食店の値段設定は「いくら」ではなく「どう売れるか」で決まる
飲食店の値段設定を考えるとき、多くの場合「いくらにするか」に注目しがちです。
しかし実際に重要なのは、その価格で「どう注文されるか」です。
理由はシンプルで、売上は「単価 × 注文数」で決まるからです。
単価を上げても注文数が減れば売上は下がります。
逆に単価が低くても、注文数が増えれば売上は伸びます。
そのため、飲食店の値付けでは
- 1回しか注文されない商品なのか
- 何度も追加注文される商品なのか
を見極めて考える必要があります。
メガサイズは客単価を上げるが売上を下げることもある

メガサイズは「客単価を上げる施策」としてよく使われますが、必ずしも売上アップにつながるとは限りません。
単価が上がる一方で注文回数が減る可能性があるためです。
特にドリンクのような複数回注文される商品では、この影響が大きくなります。
一見プラスに見える施策でも、構造を理解せずに導入すると売上を下げる結果になってしまうのです。
以下では「メガハイボール」を例として考えていきましょう。
メガハイボールは注文回数を減らす
メガハイボールは、通常サイズの約1.3倍の価格で量はほぼ2倍という設定が多いです。
客単価が上がるため、良い施策に見えます。
しかし実際には、注文回数が減るという問題があります。
「通常サイズを2杯飲むところを、メガ1杯で済ませてしまう。4杯飲む人が、メガ2杯で終わる」といった場合、以下のようになります。
【4杯分を頼んだ場合】
- 通常ハイボール1杯1000円だった場合…4杯で4000円
- メガハイボール1杯で1300円だった場合…2杯で2600円
このように、単価は上がっているのに売上は下がってしまうのです。
一度メガを選ぶと通常サイズに戻りにくいデメリットもある
ガサイズは選択を固定化します。
一度メガを頼んだお客様は、その後もメガを選びやすくなります。
途中で「少しだけ飲みたいから通常サイズに戻す」という行動は起きにくいです。
その結果、「もう1杯頼もうかな」という追加注文が減ります。
つまりメガサイズは、客単価は上がるが、回転数が落ちる施策になりやすいのです。
大盛メニューは利益を伸ばしやすい価格設定

メガは売上を下げる可能性がありますが、大盛メニューは売上や利益を伸ばしやすい施策です。
注文数が変わらないまま単価を上げられるためです。
定食や丼物のように「1人1つ」が基本の商品では、大盛にしても注文回数は減りません。
普通盛りでも大盛でも、注文数は「1」のままです。
この場合、単価を上げても注文数は減らないため、そのまま売上アップにつながります。
飲食店の値付けは利益率と利益額で考える

飲食店の値段設定では、利益率だけで判断するのは不十分です。
重要なのは「1回の販売でいくら利益が残るか」という利益額とのバランスです。
商品によっては利益率を優先すべき場合もあれば、利益額を取りにいくべき場合もあります。
それぞれの商品の売れ方に合わせて使い分けることが、売上と利益を伸ばすためのポイントになります。
利益率だけでは判断できない
値段設定では、利益率だけで判断するのは危険です。
利益率が高くても、注文回数が減れば売上は下がります。
特にドリンクのように回数で売上を作る商品では、この影響が大きくなります。
商品ごとに考え方を変える
重要なのは、商品ごとに値付けの考え方を変えることです。
- 複数回注文される商品→回数を減らさない設計
- 1回しか注文されない商品→単価をあげる設計
この違いを理解するだけで、売上の作り方は大きく変わります。
飲食店の価格は「理由と構造」をもって考える
飲食店の値段設定は、単純に「いくらにするか」では決まりません。
「どう注文されるか」を前提に設計しましょう。
値付けは感覚ではなく構造で考えるものです。
商品ごとの特性に合わせて設計することで、売上と利益の両方を伸ばすことができます。

