小売業(コンビニ)A面を効率的に使い、売上を上げる考え方

小売業の売場を見ていると、同じ商品でも「よく売れる場所」と「あまり動かない場所」がはっきり分かれます。

これは商品力の差というより、置かれている場所の違いによる影響です。

その違いを整理する考え方として使われるのが、A面・B面・C面という区分。これは特定の業態に限った話ではなく、小売業全般で使える売場設計の考え方です。

本記事では、A面の使い方によってどのような差が生まれるのかをお伝えします。

小売業におけるA面・B面・C面とは

小売業におけるA面・B面・C面とは

小売業の売場は、すべての場所が同じ価値を持っているわけではありません。

同じ棚幅、同じ商品数でも、「どこに置くか」で売上は大きく変わります。

その違いを整理する考え方が、A面・B面・C面です。

これは業態を問わず使える、売場を役割で分けるための視点です。

以下でそれぞれの役割や特徴についてお伝えします。

A面の特徴

A面は、売場の中で最も見られる確率が高い場所です。入店してすぐ視界に入る位置や、立ち止まらなくても目に入る場所が該当します。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 入店して最初に視界に入る
  • 立ち止まらなくても目に入る
  • 無意識に手が伸びやすい
  • 予定外の購入が起きやすい

A面に何を置くかは、売場全体の数字に直結します。

B面の特徴

B面は、意識して見に行けば選ばれる場所です。視界には入りますが、A面ほど強くはなく、比較しながら選ばれる位置です。

主な特徴は、以下のとおりです。

  • 視界には入るが主役ではない
  • 比較検討されやすい
  • 指名買いと衝動買いの中間

定番商品や売れ筋の安定商品など、理由がはっきりしている商品が向いています。

C面の特徴

C面は、目的がないと買われにくい場所です。棚の最上段や最下段、奥まった位置などが該当します。

主な特徴は、以下のとおりです。

  • 視線が届きにくい
  • 立ち止まらないと見えない
  • 回転は遅いが必要性はある

指名買い商品やバリエーション商品が向いています。

売上を向上させるためのA面に対する考え方

売上を向上させるA面に対する考え方

A面は売上を上げるための非常に良い場所」です。だからこそ、使い方を間違えると、その分だけ損が出やすい場所でもあります。

しかし、コンビニなどではA面に処分品をおくなど、もったいない使い方をしているケースも見られます。本来、A面はどのように使うべきなのか、以下でお伝えしていきます。

処分品を置くのは機会損失

「目につく場所だから早く捌けるのではないか」という考えで処分品をA面に置いてしまうことがあります。

A面の役割を考えると、これは相性が良い使い方ではありません。

A面は「売場の中で一番売上を作れる場所」です。

その場所に、回転しにくい商品を置いてしまうと、売れる可能性の高い区画を、あえて使わない選択をしていることになります。

A面に何を置くべきか?

A面に向いているのは、以下のような商品です。

  • つまみやすい
  • 価格が分かりやすい
  • 回転が速い

新商品や売れ筋商品、自社ブランド商品など、「ここに置けば自然に動く」ものを優先する方が、A面の特性を活かせます。

良い場所には、良い商品を置くべきです。

A面の陳列で売上が変わる具体例

A面を適切に使えば確実に売上は上がります。

月に換算すれば、少なくとも5万円前後は変わってくるでしょう。

以下では、実際に数字を用いてA面による売上向上の例を解説します。

A面に売れ筋を置く場合と処分品を置く場合の違い

A面の一部区画に処分品と売れ筋の商品を置いたとします。

200円程度の処分品の場合、良いところ売れ行きは4時間に1つ位ではないでしょうか。この場合は、この区画の一日の売上は1,200円です。

一方で、100円のつまみやすい売れ筋商品を並べた場合であれば、1時間に一つ売れてもおかしくありません。この場合は、この区画の1日の売上は2,400円です。

月換算にすると、処分品の場合は「1,200×31日=37,200円」、売れ筋商品の場合は「2,400×31日=74,400円」。

同じ場所でも、商品選定だけで売上は倍になります。

これは商品の良し悪しというより、A面という場所をどう使ったかの差です。

A面の商品に値段を張る場合と貼らない場合

A面は見られる確率が高い場所です。そのため、価格表示の有無が大きく影響します。

値段が分からない商品は、実質的に「判断できない商品」です。今の買い物にいくら追加されるのかが分からず、手が止まります。

たとえば、238円と表示されていると少し迷う人も、178円であれば「一つ足してもいいか」と判断しやすいです。

しかし、そもそも値段がない状態では、その判断すら起きません。A面で価格が表示されていないことは、大きな機会損失なのです。

A面を坪効率で考える

A面は、小売業の売場の中で最も価値の高い区画です。だからこそ、感覚的に使うのではなく、坪効率の視点で見る必要があります。

  • 処分品を置いていないか
  • 回転しにくい商品を置いていないか
  • 値段が分かりやすく表示されているか

このあたりを見直すだけでも、売場の数字は確実に変わります。